私が、体験した不思議でちょっと怖い話⑧

早速ですが、今回も、

季節柄、不思議でちょっと怖い話を

書いていきますね。

 

そう言えば。

私の住んでいる南関東は、

朝から、曇ったり、晴れたり。

はたまた、雨が降ったりと

とても忙しい天気です。

でも、こういう日には、

不思議な体験て、実は、しやすいのです。

私の経験上ですが。

皆さんも、案外、気づいていないだけで、

不思議な体験をしているのかもしれません・・・よ?

 

前置きは、このくらいにして(笑)

本題に行きますが。

このお話は、私がまだ、学生だった頃のお話です。

その頃、私の父は、仕事の関係で

単身赴任していました。

ある地方都市なのですが、そこで、

借りていました一軒家が。

出る・・・家だったのです・・・。

 

ちなみに、父は、全く霊感は、ありません。

ですから、あの家でも平気だったとも言えるのですが・・・。

夏休み期間、父の単身赴任先で過ごすことになったので。

初めて、父の単身赴任先の家に行きました。

その時、わたしは、本気で。

「マジか・・・噓でしょ」

と、心の中で、突っ込みを入れたほど。

(口に出して言うと色々と語弊が、あるので。

 そこは。学生なりに気をつかったというか・・・

 他に、泊るところがなかったというか・・・

 黙っておきました(笑))

 

まず、玄関を開けた瞬間から、中が異様に暗いのです。

昼間の時間でも電気が、欲しいほど。

(但し、つけても体感的には、あまりかわりありませんが・・・。)

そして、空気が、ひんやりとして重い・・・。

圧力がかかっているといっても過言ではない程(笑)

 

その感じは、家の中に入っても当然変わりません。

この家でよく、暮らしてるな・・・と思いつつ。

それでも、約1ヶ月間暮さなくてはいけない・・・

ので。とりあえず。

この家の、自分の部屋に入りました。

 

私の部屋は、6畳ほどの洋間。

簡単なベッドと机。

ちょうどベッドの片側は、壁。

頭上も壁ですが、引き戸の窓があり。

ちょうど2方の壁の間に、

ベッドが、おさまっている感じです。

 

私の部屋は、となりの和室と続き部屋になっていて。

その和室には、押し入れと小さな物入れが、

ありました。

押し入れには、お布団を入れていましたので、

母が、その和室を使うことに。

 

・・とまあ、こんな感じで、夏休みが始まったのですが。

初日から、白いワンピースの髪の長い女性を目撃したり、

いろいろあったのですが。

そんな、ある日の午後。

ベッドで、お昼寝をしていました。

ウトウトしていたのですが。

私は、続き部屋の和室の、

押し入れのふすまに、掛け軸が

かかっているのに気が付きました。

 

あれ?こんな掛け軸って、かかってたっけ?

 

わたしは、首をかしげました。

掛け軸には、毛筆で、

南無阿弥陀仏と書いてあります。

 

こんな掛け軸、家にはないはずだけどな・・・?

夢うつつの中で、私は、考えました。

「ああ・・・これは夢を見ているんだ」・・・と。

 

そう考えた次の瞬間。

その毛筆の仏の部分の文字が、

どくどくと脈打ち、

何か、生き物のように膨らんできました。

 

「気持ち悪い・・・」

と、たじろいでいると。

和室の空間から、白い手が、現れて。

「!!」

驚く間もなく、その手が、

私の右足首を掴んで、引きずった!

 

ベッドから落ちて、

和室の押し入れの方へ、

物凄い力で引っ張られながら。

どうしよう・・・とパニックになる一方で。

わたしは、自分の右足首をがっちりと持つ

白い、妙に血の気のない手首を

妙に冷静に見ていた。

 

助けて!と叫びたいのだけれど

声も出ない。

でも、その手首は、私を、離してくれない。

もう少しで、壁に激突!?というところで、

不意に声が出た。

 

「南無三!」

壁寸前で、不意に

白い手が離れた。

白い手が、押し入れの横の柱に吸い込まれて、

跡形もなく消えた・・・と。

 

ここで、目が覚めました。

私は、寝た時のままの、仰向けの状態で。

変な寝汗をかいて、

呼吸の荒い私が、

ベッドの上にいました。

 

思わず足首を見ましたが、

跡は、ありませんでした。

ただ、足首をつかまれた時の感覚は、

リアルに残っています。

そして、寝るときにかけていた、タオルケットが、

あの夢うつつの中で見た、

あの手首に私が、ベッドから落とされた時に、

はね落ちたままの格好で、

ベッド下に落ちていました・・・。

 

あれが、夢だったのか、それともうつつだったのか?

何十年もたった今も、私には、わかりません。