私の体験した不思議でちょっと怖い話⑫

9月に入りましたね。

まだまだ、暑いですが。

だんだんと秋の気配が

感じられるように

なってきました。

 

突然ですが、私は、5年ほど前に父をなくしました。

父が亡くなり、1年たたずに今の住居に

引っ越したのですが。

父のお骨と共に引っ越してきました。

本当は、49日の頃に、納骨するのが、普通なのですが。

父が亡くなったのが、急だったのと、

お墓が、用意できていなかったこと

(父が、長男でないことと、

本家のお墓も東海地方なので、

 おいそれとお墓参りに行けない・・・。)

そして、何より、私は、新しい引っ越し先で、父と暮らしたかった・・・。

そんな私のわがまま?もあり、納骨は、1年過ぎてからでした。

 

今日は、その父の納骨の時に、

起こったお話をしたいと思います。

今から5年ほど前の

時期は、8月の終わり。

ちょうど、今頃です。

とにかく、薄気味悪いやら・・・不思議やらの・・・

お寺までの道のりだったことを今もよく覚えています。

 

母と2人で、お寺様に父のお骨を

納めに行ったのですが。

お骨が重いのもあって、タクシーをお願いしました。

2人で、手配したタクシーに乗り込み、

いざ、お寺に出発!

でも、タクシーは、そのお寺さんとは、

反対方向に走り始めたのです。

 

おかしいな・・・ちゃんと○○寺とお願いしたはずなんだけど・・・

と思いつつ

まあ、ちゃんと連れて行ってくれるんだろうな・・・

と思っていたのですが。

ついたのが、全く違うお寺で。

 

もっとも、名前が、よく似ているお寺でしたので・・・

聞き間違えてしまったんでしょうということで。

(コロナの流行の真っ最中でマスクもしていますし)

運転手さんと私たち側、双方が納得。

改めて、本当のお寺さんに向かってくださいました。

 

運転手さん。

年のころは、40代半ばでしょうか。

その運転手さんが、突然、

わたしと母の真ん中に置かれた父のお骨を

ルームミラー越しに見ながら

「お父様ですか?」

と言ってきたので。

「はい。」

と応えると。

 

「怪談ツアーってご存知ですか?」

「?????」

突然、口を開いたかと思えば。

怪談ツアーって・・・。

しかも、父のお骨を載せているのに・・・?

ちょっと複雑な感じでしたが。

 

そのタクシー会社が、夏の間、

心霊スポット巡りのツアーを

しているのは、知っていましたので。

「心霊スポットツアーのことですか?」

と聞きました。

すると、運転手さんは、

「そうなんです。私も、ツアーの運転手をしたことが、

あるんですが。2度とやりたくないです!」

と言い出し。

私は、尋ねてもいないのですが、

その体験談を話しだしました(笑)

 

3つほどきいたのですが。

1つが、怖すぎて、あとの2つが、

飛んでしまいました(笑)

なので、その一番怖い話を書きますね・・・。

 

その日、お客さんは、自分の娘さんを含む女の子4人組。

深夜に城跡など規定のコースをまわった後だったそうです。

何事もなく?スポットを回った深夜。

帰宅の途に就いたそうです。

みな娘さんの同級生で、近所の子なので、

それぞれの家に送りながら、

帰ろうとしたのだそうです。

 

もう深夜といってもよい時間帯で、

普段は、住宅街で、人通りもそこそこあり

車通りもあるその道も、今は

人っ子一人いません。

 

営業中のふだを落としたタクシーが、

そのなかを走っていきます。

と、突然、中の女の子の一人が、

「キャッ」

悲鳴をあげました。

「どうしたの?」

「大丈夫?」

顔を覆ったままのその女の子が、

震える指先で、指さした方向を

見ると、ある家の裏山から、

複数の火の玉が、次々と飛んでは、

家の一室に吸い込まれていく光景が・・・。

 

運転手さんは、思わず急ブレーキを踏んだそうな・・・。

「真夜中でよかったですわ・・・。」

まあ、昼間だったら、後続車に追突されて、

それも怖いわね・・・と思いつつ、話をきく私・・・。

 

「実は、その家も娘の同級生の女の子の家なんです!」

ただ、その女の子は、あまり素行が良くないそうで・・・

男の子と遊んで、妊○して、

そのことを親にも言えず、生むわけにもいかず。

無理な運動などしておろして・・・

裏山に埋めてる・・・。

 

「あくまで、噂ですよ。うわさ。」

確証なんてもちろんありません・・・と

運転手さんは、言いました。

「でもその火の玉が、消えていく部屋は、

その女の子の部屋なんですわ・・・。」

 

急ブレーキをかけた運転手さんは、その後、

すぐに車を運転して、無事全員を、

各々のおうちに送り届けたそうです。

もちろん、女の子たちは、自分の娘も含めて全員涙目だったそう・・・。

 

本当の話かどうかは、定かではありませんが・・

 

「生きることはおろか、生まれることさえなかった子供も

お母さんが恋しんだろうな・・・」

 

父の菩提寺となるお寺についたとき、

運転手さんが、言った言葉が、強く心に

残りました・・・。

 

この後、父のお骨をお寺にお納めしたのですが、

その時にも、このお話ほど強烈ではありませんが。

ちょっとしたことが? ありましたが。

そのお話は、また次回に書いていきたいと思います。