些細なことから通じています。親の子供への愛情。

若い頃、塾の講師をしていました。

今は、独立していますが、

相変わらず同じようなお仕事をしています。

 

今もですが、

塾の講師の時代にも、

よく保護者の方から、

伺っていたのが、

 

近頃、子供の表情が読み取れなくて

親が、何かをしてあげても、

うれしいのか・・・

文句ばかり言ってるし・・・

感謝さえ、してないのじゃないかと思える!

という声。

 

まあ、子供に対する愚痴とも取れますが、

そんな時、私は、必ず言います。

 

大丈夫!ご両親、お母様の愛情は、ちゃんとお子さんは、受け取っていますよ

と。

 

 

塾の講師時代こんなことがありました。

私が、受け持っていたクラスにAさんという女の子がいました。

13人位のクラスだったと思います。

Aさんは、成績は中くらいの成績なのですが、

ちょっと素直じゃないところがあり、

授業中、騒いで注意すると、

口応えをする、ふてくされるなど、

教える講師の立場からすると、

ちょっと困ったちゃんな生徒でした。

 

 

いくら塾で少人数制とはいえ

集団を教えるので、

授業が中断すると、

ほかの生徒が、

それだけ、置いてきぼりになってしまうからです。

 

 

ちょうど、冬期講習中だったと思います。

午前中の授業が終わり、

Aさんは、お昼を食べていました。

お家が自営業で、お忙しいので、

いつも、コンビニ弁当を食べていることのほうが、

多いAさん。

 

でもその日は、おでんと、白いご飯というメニューの

お弁当を食べていました。

珍しいなと思ったわたしは、声をかけました。

 

「おいしそうだね。」

 

それに対して、Aさん、鼻でふふんと笑って

 

「見て。これ、昨日の夕飯の残り物なんだよ。

全く、器だってもう少し、ましなものにいれればいいのに。」

 

確かに、器は、冷蔵庫に入れておくタッパー。

深めのタッパーにおでんと、

同じく、別の深めのタッパーに

白いご飯を詰めたものでした。

中学生の女の子なら、もう少しおしゃれなお弁当箱に

入れてほしいとおもうのは、

当然かもしれません。

 

でも、当のAさんの顔は、

言葉とは、裏腹に、

私が、見た顔の中で、

一番嬉しそうな、穏やかな表情で、

おでんと、ご飯をほうばっていました。

 

お母様が忙しい中、自分のために作ってくれたのが、

うれしかったんだなあと思い、

 

Aさんのまだあどけない、素直な部分をみることができ、

何だか、私まで嬉しくなったのをよく覚えています。

 

と同時に、細かい表情の変化で、

子供の内面を受け取れる場合があることに、

気付いた一件でした。

 

幼いころは、何でも話してくれたお子さんでも

小学生高学年くらいから、だんだん斜に構えて?

だんだんと、気持ちがわかりにくくなります。

 

先述のAさんの場合は、その時、中学生。

しかも3年生だったと記憶していますので、

受験のイライラもあって、

態度は、おそらく、推して知るべしだったでしょう(笑)

 

でも、ご両親の愛情は、ちゃんと通じています。

日常の意外と些細なことからです。

 

この冬休み、冬期講習参加予定のお子様を持つお母様。

もし、その講習が、お弁当持ちならば、

一品だけでも、ご自分で手作りのものを

持たせてあげると、

 

また、お昼には帰ってくるけれど、

自分は、仕事でいなくて、

お昼は、常備のものというお母様も、

手作りを一品だけ加えるなどすると、

お子様は密かに?喜ぶかもしれません。

 

もちろん、毎日する必要はないのです。

日ごろからの積み重ねで、ちゃんとお子さんは、

親からの愛情を受け取っています。